もう降園したはずなのに
私が私立保育園の園長になって
まだ最初の年だったと記憶しているが、
ある土曜の午後、私はデスクワークをしていた
すると、なんだかあわてた様子で
Cちゃんのお母さんが園に駆け込んできた
お母さん「Cこちらにいませんか?」
私「いないんですか?」
…というのもさっきお母さんと降園したばかりだったのだから。
Cちゃんは3月生まれの1歳児なのだが
どうやら近くのスーパーで買い物をしているときに、いなくなったのだという…
園がスーパーから近いので
まず最初に探しに来たということだった
私は不安感でいっぱいになった
最初に頭をよぎったのは「誘拐」だった
Cちゃんは非常にかわいい女の子なのだ
ヨチヨチと歩く姿など、毎日観ても飽きない…
私はとにかく「もう一度スーパーを探していなかったら警察に届けましょう」
とお母さんに告げ、自分と数人の職員で捜索を始めた
スーパーに行ってみる
本当に近くのスーパーなので、すぐ到着し
スーパーの中を駆け足で一周した
「いない…やっぱりいない…」
私は絶望的な気持ちになった
私はスーパーを後にして園に戻ろうとした
その時なんとなく
「わーん…」という声が聞こえた気がした
空耳か??
なんだか駅の方から聞こえたような…
近いとはいっても、駅からここまでは到底泣き声が聞こえるような近い距離ではない
でも私は走った!自分の直感を信じて!
私の野生の勘
駅に着くとすぐに
駅員さんに抱きかかえられ
ギャンギャン泣いているCちゃんの姿が
目に飛び込んできた
はぁぁ良かった…
Cちゃんは私の姿を見ると
「あーん😭知ってる人、びっくりしたよー」
(しゃべれないけど…)
と言わんばかりにしがみついて泣いた
駅員さんは
「改札の中にいたんです。驚きました。今警察に電話しようと思ってたんです」
と話していた
大人の足ではそう遠くないが一歳児がスーパーを抜け出し、隣の駅の自動改札の中にいたのだから驚きだ
私は駅員さんにお礼を言い、駅を後にした
お母さんに連絡し、
捜索隊を呼び戻し、「Cちゃんがいなくなった件」は無事終了した
この一件は私の保育者のキャリアの中でもトップスリーに入る「肝を冷やした」出来事だった
そんなCちゃんはおしゃべりできるようになると
Cちゃん「先生大好き!先生とお出かけしたいなー」
私「え!どこに一緒に行きたいの?」
Cちゃん「バーミヤン!」
あ、ディズニーランドとかじゃなく、ファミレスなんだ…
どんな時も想像の右斜め上をいく
Cちゃんなのでした( ˘ω˘ )
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