好かれようとすると嫌われる

口をついて出た言葉

 先日講座の中で、どんな脈絡だったかは忘れたけれど「好かれようとすると嫌われるよね」という言葉が口をついて出た。私は講座中、自分でも時々「考えて言った」というより、「そんな事言ったかな?」と思うくらいポンと浮かんだ言葉を発していることがある。受講生さんに後でその言葉が印象的だったと感想をもらい、自分でもその意味をあらためて「好かれようとすると嫌われる」という事について考えてみた。

 皆さんは「好かれたい」ですか?多かれ少なかれ誰しも「好かれたい」と思っているのではないでしょうか?少なくとも「嫌われる」よりは好かれたいですよね。でもこの「好かれる」という言葉のイメージの定義は結構人によって違うものなんだと思います。「○○すると好かれる」「○○の私であれば好かれる」など、好かれることに対して自分なりの条件付けをしている人も多いのではないかと思うのです。そんな「好かれる」ことに対する条件や、こんな自分なら好かれると思っている自分の理想像は人それぞれ独自のものがあるんですよね。

かく言う私も

 私自身も以前は「好かれたい」とかなり思っていました。この「好かれたい」という言葉をもう少し私っぽく表現すると「いい人でありたい」が近いでしょうか?物事にはなんでもコインの表と裏があるように、この「いい人であれば好かれる」という言葉の裏側は「いい人でないと嫌われる」という側面があるんですね。

 じゃあ私にとって「いい人」とはどんな人なのか・・・・人の役に立ち、そういう人である為に絶え間なく努力する。という自分なりの「いい人イメージ」を持っていました。このイメージはほとんどの場合言語化されることはないので、私の中でもぼんやりとそういうイメージを持っていたのだと今振り返ってみるとわかります。

 ところがこの「いい人」→他の人の為に絶え間なく努力し、膨大な労力と時間を使う生き方には弱点があります。それは他の人の為に何かをやっている間ずっと、他でもない「自分」が置き去りになり、端っこに追いやられていることに、私は長い間気がついていませんでした。自分のニーズをないがしろにしてでも他の人のニーズを叶えないと・・・・そうしないと嫌われる。

 この「いい人でいる」イコール「自分のニーズをないがしろにする生き方」をやり続けてきた私は、本当にいろんなところで不調が出てきました。肉体にも精神にも。そして、実はこんなにも犠牲を払ってきた割には、この頃はあんまり人間関係は良くなかった気がします。笑

嫌いというか、違和感

 では話を戻して、「好かれようとすると嫌われる」なのですが・・・・SNSなんかでもなんとなく「この人の投稿好きじゃない」ってありませんか?私の場合は、なんか必要以上に「盛って」写真や文章を書いていたりする人の投稿がすごく嫌だと感じていた時期がありました。これってその人が嫌いとかではなくて、その人らしく等身大で、本来の自分のエネルギーで生きていないことに対する「違和感」だったんだな、と今は思います。

 まあ更に深めて観てみると「もっともっと自分本来のエネルギーで生きなよ」っていう、私の心の内側の一部を外側の誰かが具現化して「見せてくれてる」っていう「投影」という現象なんだと思います。

私は本当はどうしたい?

 「好かれたい」「いい人でいたい」私が今現在どうなったかというと、結果「好かれても嫌われてもどちらでもいい」と思っています。100人いたら100人全員に好かれるなんてありえないですしね。そしてこの考えの根拠には「嫌われてもいいから自分の人生を自分の為に生きる」という覚悟に似た感覚があるからなんだと思います。大好物だった「好かれたい」を手放していくプロセスの中で私がやった事・・・・それはいろんな局面で迷ったり困った時に「私は本当はどうしたい?」とまずは自分自身に聴いてみる事でした。これをやり続け、他者の人生をいきる自分から少しずつ変化していったように思います。

自分への信頼

 「好きになって欲しい」「わかって欲しい」これは本当の意味では満たされない生き方なんだろうな、と思います。他者に「好きになって欲しい」「わかって欲しい」と思う前に、自分が自分を好きになる事。自分で自分をわかる事。が1番大事なんだって、いろんな心の勉強して、なんか1週回って今ようやくそこに立っている感じがします。自分が自分を好きになって、自分が自分をわかっていく・・・そんな自分という存在を絶対的に信頼したら、「好かれる」とか「嫌われる」という恐れから脱却して楽に生きられるんじゃないかと思います。

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